このチャウチャウパズルについて
チャウチャウパズル
チャウチャウ(英: Chow Chow,Chow,Chowdren)は、中国広東省原産の犬種である。JKC等の正式な表記は「チャウ・チャウ」。別名はチャイニーズ・エディブル・ドッグ(英: Chinese Edible Dog)、ヘイ・シー・トゥー(英: Hei She-Tou)など。また、同じく中国原産のシャー・ペイとは兄弟関係がある。本種の短毛版はシャン・ドッグ(スムースコーテッド・チャウ・チャウ)と呼ばれている。
紀元前から中国にいた地犬で、生い立ちには3つの説が存在する。一つ目の説は現在最もよく知られている。サモエドとチベタン・マスチフの交雑種に由来するという説である。この説はチャウチャウの出生の仮説としては最も有名な説ではあるが、この説で交配に使われたとされているサモエドは元々ロシアの北地に住んでいるサモエド族によってのみ飼育されていて外部に出る事はほとんどなく、初めて他地域に輸出されたのが19世紀ごろ(18世紀ともいわれている)であった事などを考慮するとつじつまが合わず、この仮説は成立しない。
また、この犬種の珍しい特徴である「青舌」という特徴のルーツは現在よく分かっておらず、1つ目の説で先祖として挙げられているサモエドやチベタン・マスティフには存在しない特徴である。このことも1つ目の説は該当しないとする説の理由である。
なお、その説はもともとチベタン・マスティフと中国のスピッツタイプの犬種との交配がもとになっているという説であったとする見解もあるとされている。中国から世界の犬種歴史学の専門家へ伝承されていく際に誤認識が起こり、チベタン・マスティフと交配された犬種がスピッツタイプであったためにいつしかサモエドと誤って伝えられるようになってしまい、この説に転訛してしまったのではなかろうかと見られている。
2つ目の説は、チャウチャウが超古代犬種(紀元前1000年以前から存在していた犬種)であり、かなり古くからこの犬種として存在していたという説である。古来からチャウチャウはさまざまな作業犬として使われていて、紀元前2000年ごろ作られたと見られる瓶のようなものや海外へ輸出された美術品にもそれと思わしき姿が描かれている事がポイントの一つである。また、気性の面でも古代的な部分が多く残されていて、生真面目で遊びをあまり好まない狼のような性質が備わっていることも要点として挙げられる。しかしながら、この仮説の科学的な証明は難しく、その他の決定的な証拠が発見されていないのが欠点である。
3つ目の説は、中国の古代犬種であるハン・ドッグの子孫で、それとチベタン・マスティフの交配に基づいて生まれたという説である。また、この仮説ではチャウチャウと兄弟関係にあるシャー・ペイもハン・ドッグと何らかの犬種との交配によって生まれたといわれている。ハン・ドッグは漢王朝の時代に番犬として多く飼育されていた日本犬のような短毛のスピッツタイプの犬種で、1つ目の仮説の原説とみられる説にも適っている。ハン・ドッグを闘犬用に改良し、皮膚のたるみを増やしたのがシャー・ペイ、番用・食用として改良し、肉量を増やしたのがチャウチャウであるとこの説では考えられている。また、ハン・ドッグを番犬兼食用として改良してチャウチャウが作られた事を示唆するような美術品や絵画も残されている。さらに、がっしりしていないチャウチャウと、皮膚のたるんでいないシャー・ペイの姿を描いた美術品も見つかっていて、これらはハン・ドッグとそれぞれの犬種の中間の姿をしていることから、信憑性があるとされている。しかし、この仮説にも欠点があり、青舌のルーツについての証明が出来ないことがそれである。だが、ハン・ドッグが青舌であった可能性もあり、調査活動が続けられている。
いずれの説にしても、ハン・ドッグとシャー・ペイはチャウチャウと親戚関係にあると見られている。なお、本種の短毛種であるシャン・ドッグはチャウチャウの作出初期に分かれた犬種ではあるが、地域によってはチャウチャウとの異種交配が行われているためケネルクラブ等からの公認は受けていない。チャウチャウはFCIやジャパンケネルクラブなど多くのケネルクラブから公認されている。