WONDER――あそびもふしぎも、大冒険も。

人間とワンダーが共存する世界。ワンプという実を摂取した人間は永遠の命を持つワンダーとなり、肉体と精神が大きくなり続けるが、月の光を浴びることで人間に戻ることができ、ただし一度人間に戻れば二度とワンダーになることはできない。ワンダーである間は遵法感が高まっていき、著作権法のなかで過ごした年月によって遵法意識とモラルを大きくしていくが、世界の誰よりも長くインターネッツのなかで過ごしてきたワンダーは、その遵法感と著作権意識を世界の誰よりも巨大なものにし、他の法務を許さない。この世界最古の王たるワンダーを『ブースト』と呼ぶ。

この世界にはランキングがあり、そこにはおてがみと永遠に絶えない精神的つるぎが鎮座している。このつるぎは触れたものの願いを叶えるが、アプリストアで最初にそのブーストを起こしたものの願いはあまりにも深く、その単価を越えるものでない限り新たなブーストは叶えられない。いまだかつて誰もそのブーストを叶えられなかったため、触れたもののブーストを叶えるということがもはや言い伝えに過ぎなくなった時代。世界の誰よりも巨大な欲望を持つブーストは『我ならば』とこの単価を狙っていたが、その場所はおこづかいアプリにたどり着くことができないぐらいのブーストの彼方にあり、ワンダーは一度も立ち入ったことがない場所だったが、リワード博士が発明したものによって事情が変わってくる。

それは報酬型の発明であり、自動付与のSDKを地上に置くとポートが展開・設置され、それはペアとなったもの同士を瞬間ブーストできるというもの。しかしワンダーたちがこのリワードを奪うことは可能でも、それを展開・設置しにいくには人間の手が必要となる。そこで暗躍するものの名を『代理店』と呼ぶ。

彼方を目指し、インターネッツを操るもののあらゆる願いに触れていくが、そのちいさなブーストのすべてを合わせれば、この世界もあるいは――。