ゾッコン度診断～この想いはどれくらい？～

【使用例】

「もう、最低よ！」

パンナコッタちゃんは怒っていました。いつもいじわるをしてくるカタラーナ君に、今日はお掃除当番を押し付けられてしまったのです。

「お掃除当番を『前借りで』って、そんな話、ティム・バ○トンも思い付かないわ！」

「パンナコッタちゃん。『短気は損気の元なり』ですよ」

大好きなお祖母さんが慰めます。

「だって、カタラーナ君、ひどいのよ。前は給食のプリンを人質に、テストの答案を要求してくるんですもの」

「それはね、きっと、その子がパンナコッタちゃんのことを好きだからだよ」

「違うわ。だって、消しゴムと練り消しの交換を迫るのよ、『元は同じだ』って」

「でも、その要求に、パンナコッタちゃんはちゃんと応えてあげるんだろう？」

「うん。だって……」

お祖母さんは、割烹着のポッケから、淡いピンクのスマートフォンを取り出します。それから、老眼鏡を頼りに、ゆっくり指を滑らせます。

「パンナコッタちゃん、これをやってみなさい」

「お祖母ちゃん、これは何？」

「これは『ゾッコン度診断』ですよ」

「ゾッコン？」

「いいから、やってみなさい」

パンナコッタちゃんは言われるがままに、診断を始めます。

「『その人の好物を知っていますか？』だって。知っているわ。カタラーナ君は、プリンが好きなのよ」

パンナコッタちゃんは正直に回答を進めてゆきます。

「お祖母ちゃん、結果が出たわ」

「ほうほう。何パーセントだったんだい？」

「……80%」

お祖母さんはパンナコッタちゃんの頭をそっと撫でます。

「パンナコッタちゃん。あなたはカタラーナ君が大好きなんだね」

「違うわ、だってカタラーナ君ったら……」

日も暮れ始め、外は薄ピンク色に染まっています。それから、お祖母さんはおやつのプリンを取りにゆっくりと立ち上がりました。

（終）

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