振動魔

日本SF小説の祖と言われる海野十三が生み出した私立探偵・帆村荘六の登場する一編。

本作では、その世界観に江戸川乱歩や横溝正史に通ずる怪奇色、エログロ的要素を見せだす。

肺をやむ「私」の友人・柿丘秋郎は身ごもった愛人・白石雪江を流産させるため、「私」に

雪江の膣と共鳴する振動室を作りあげることを依頼する。

しかし、その振動室は同時に彼の肺を破壊し、彼をも死に至らしめる。

私の真の目的は、柿丘を殺し、その美しい妻・呉子を我が物とすることだったが・・・